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映画『トップガンマーヴェリック』

 総じてまぁまぁという感じ。いや、やっぱり、前作から何十年も経ってからの満を持しての公開だけに否応なしに期待感が高まりすぎていたところは否めない。ストーリーとしてはちゃんと完結していたが、エアーウルフのテレビ2時間版(そんなのないけど)を見ているような大人しい感じの進行具合だった。事前レクチャーの基地偵察情報にF14トムキャットが出てくるなど伏線もみえみえだったし、トム・クルーズも若く見えるとはいえやっぱり、60歳前後、、、、。若い時のトム・クルーズでやってほしかったとどうしても思ってしまうし、前作のヒロインがそのままの姿で出てきてほしかったし、やっぱりちょっと物足りなかったなぁ。

 全体の出来栄えとしては全然子供に見せられる。社会の仕組みの一つとして軍隊のイメージを持たせることができて、尚且つ、軍隊に入りたいとは思わなくなるだろうなと思う。子どもを軍隊に入らせたくないと思うんだったら、是非みせるべき?かもしれない。社会の嫌な裏側の描写はないのでそれでスッキリ感はあるかも、そのせいか、若干非現実的な感じがするのかもしれない。

 コロナ禍の中で何度も上映延期になっていた。それもそのはずだと思う。主人公は出世コースから外れたアウトロー軍人なので、とにかく上官の指示・命令を聞かない。それがまずい。コロナ禍の中ではワクチン反対運動が全米で繰り広げられていた。そんな中でこの映画が上映されれば、政府の言う事を聞かない人がもっと増えていただろう。事態の収拾を行いたい政府としてはそんな火に油を注ぐことをしたくなかったんだと思う。普通の映画だったらお蔵入りになっていたかもしれないと思う。ただ誰しもマーベリックの「その後」を見たかったんだと思う。それだけに、前作はインパクトがある映画だった。やっぱりトム・クルーズの代表作といえば「トップガン」だ。

 度重なる延期には上映側の事情もあったと思う。『マーベリック』の雰囲気はコロナ禍の雰囲気にあってなかった。なんというか戦闘機がメインの一つであり、必然的に青空が背景になることが多く、映像感としては気持ちをスカッとさせるタイプのものだ。コロナ禍中でリリースされてヒットした映画では、『ジョーカー』や『THE BATMAN-ザ・バットマン-』というダークサイドをリアルにダークサイドに描写した、暗く重い感じのものだった。コロナ禍の雰囲気にあった内容じゃないと売れないと上映側も読んでいたに違いない。

 前作「トップガン」から「マーベリック」に至るまでの期間の事については、テレビシリーズで映像化されるのだろうか?ちょっとそれを願いたい。

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